NA.home通信 292号
25.feb.2009

 最近、人前で話をする機会が多い。2月3月は目白押しである。得意分野なら自分のペースで話せるのでたいしたことはない。工業高校の非常勤講師で十分体験済みである。
 ところが、他人の作った原稿で、自分の得手としない相手だとなかなかスムーズにはいかない。
 
 12月のことだが、耐震出前講座という取り組みで、阿久比の東部小学校へ行った。
 愛知県建築指導課が作っているテキストやスライドを使ってやれば誰だって出来る、ということだ。
 今年度は試験的な取り組みで、経験が無く要領がわからない。予め10月に別の学校で行われた出前講座を見学に行った。
 講師の女性はNPOの職員。
 「私でも出来るんだから、誰でも出来ますよ」と言いながら、その授業たるや堂々としたものでとても上手い。
 あとで聞いたら京都大学の教育学部かなんか出ているんだそうだ。上手なわけだ、勘弁してよ。
 
 6年生42名を前にして、教壇に立つとガラになく緊張する。
 「ここ読んでくれる人」と言うと、「はいっ」と元気に手が上がる。そこが工業高校の生徒とは違う。工業の生徒に本を読ませると最悪だ。漢字が読めないヤツばっかり。
 子どもに本を読んでもらっているスキに次のスライドを準備しながら、話を心の中で準備する。そうしてなんとか一時限の授業終了、やれやれである。こんな緊張久々だった。

 試作版だった出前講座の資料が完成して、講師講習会があった。来年度から全県で同じような講座を取り組むのだそうだ。そのための講師養成講座である。
 県からも受けるように言われたけど、行かなかった。自分の得手じゃない話しは、金輪際お断りである。


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