NA.home通信 170号

6.nov.2001
 小学3年だったか、初めてお誕生日会というものに招かれた。
 ケーキが出て、おいしいジュースを飲んだ。
 ケーキといってもショートケーキだし、ジュースは粉末を水で溶いたものだったけど、その雰囲気が上流階級っぽくて、ケツの座りが悪かったのを覚えている。
 その後、数人のお誕生日会に出たが、そのうち呼ばれなくなった。それもそのはず、ウチでお誕生日会をやらないからなのだ。
 8月24日では招待のしようがない。だいたいその日は出校日で、宿題の詰めをやられる日、そんな気分ではない。

 さかのぼる事、幼稚園時代。出席番号が一番だった。
 1年間だけのクラスで、8月より先に生まれた子は成長がいいのでみんな2年間、つまり4歳から入り、ウチのクラスは秋以降生まれの子たちばかりで、8月生まれの私がもっともお兄さんだったわけ。
 で、それまでクラスの誰も経験していないお誕生会に単身、年長組にまざって、それも7月に前倒しで7月生まれと合同の会に出る事になった。
 その緊張たるやものすごく、楽しいはずが、全く苦痛だったことを思い出す。
 誕生日会に良いイメージがないはそのおぞましき幼児体験にあるのか。

 息子や娘の誕生日も家だけでやり、友達を呼んではやっていない。
 息子が1月5日生まれで、これも招きようがないので公平を期する意味で娘の誕生日もそうしてきた。

 今日は娘の19回目の誕生日、バイトから帰ってくるとグイッと酎ハイをあけるようになったが、まだ「彼氏と過ごす」に至っていない。
 今年が最後になるかもしれないが、ささやかなお誕生日会を開くとするか、鍋でもつつきながら。

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