NA.home通信 267号

11.sep.2007
 私はこのエリアでは木造建築耐震診断の第一人者である。
 「何を偉そうに」と思われる諸兄もいらっしゃるだろうが、残念ながら真実である。でも自分で望んだものではない。
 
 阪神大震災後、愛知県と愛知県建築住宅センター主催の診断・改修講習会があった。
 当時は意識が高く、県下千人以上が受けて、カウンセラーに登録された。
 当時の診断は有料だったこともあって、申込件数は少ない。大勢の登録カウンセラーの中から私が選ばれたのは、センターの職員が顔見知りで「頼みやすかった」という理由だけだろう。
 その後は、新しい診断員を指導するより、慣れた人間に頼んだ方が間違いないということで、この地域の診断のほとんどを私がやった。職員と顔見知りでなければ、他の人に行った可能性は高い。
 自治体の診断が始まると経験者である私が委員長になった。支部長兼務というハードさだったけど、逃げることは出来ず、6年やってきたので気付けば「第一人者」になっていた。
 おかげでいろんな経験をさせていただく。防災の講演だとか、愛知県から選ばれた委員になって、偉い学者先生と席を並べたり。そういえばテレビに出たこともある。ギャラを2万円もらった。
 もちろん実務もある。住宅の基準にはまらない、お寺や公民館、保育園など、耐震診断となれば相談するところがないので全部私のところに来る。
 
 9月議会が始まったので、議員、職員両方から相談が持ち込まれる。
 ありがたいやら、うっとうしいやらではあるが、それも仕方がない。
 この地域では私が「第一人者」なのだから。
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