NA.home通信 265号

4.aug.2007
 8年ぶりにアメリカへ行った。
 驚いたのはものの値段。ドルだからはじめはピンと来なかったが、明らかに値上がっている。
 レストランで飲むビールが3ドル台だった記憶だが、5,6ドルになっている。野球場では小瓶が6ドル75、生は8ドルだ。日本円に換算して8ドルは千円になる。東京ドームの800円より高い。ナゴヤドームの700円が高くて頭に来てるのに。
 
 日本はこの間デフレで物価が下がるという異様な事態だったのと対称に、アメリカは順調な経済成長を遂げた。その結果がこれである。
 住宅の価格はもっと凄い。8年前はロサンゼルスだったが、土地が100坪、住宅が70坪程度で5,6千万円だったのが、シアトルで見てきたのは同程度で一億円近い価格なのである。ロスではどれくらいなんだろう。
 
 アメリカは中古住宅市場が活発である。その代わり増築は厳しく規制され、また、住宅地にわがままな設計は許されないのである。
 住宅地ばかりではない、どこでも厳しい規制があって勝手なデザインで建物を建てられるような場所はほとんど無い。
 それが故に美しい街ができ、美しい家が建つ。
 良い場所に建った美しい家は値段が下がらないばかりか経年とともに価格が上がる。
 築後90年100年という家が高値で取引されている。住宅に費やした資産価値が保障される仕組みが、都市計画から金融にいたるまで一貫して行われているのだ。
 
 家をリフォームするために、仮住まい用に中古住宅を買って一年半後売ったら、1千万円以上値段が上がり、リフォーム代金に補填できたと言う話し。日本では考えられない。
 住宅が普遍的価値を持つから、多少無理しても家を買う。ということなんだろう。それにしてもビール8ドルは高い。
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