NA.home通信 187号

24.nov.2002
 185号の後日談である。
 住みついた子猫はシャベルと名が付いて、相変わらずわが家の自転車置き場で寝泊まりしていた。腹が減るとエサをねだりに玄関まで来るようになった。
 先週の日曜日、一日中カミさんにまとわりつき、庭いじりの邪魔などして、風呂まで入れられたらしい。夜、私が遅く帰ると段ボールの中でぐっすりと寝ていた。
 翌朝、いつもエサをねだりに来るのだが箱で寝ていて起きてこない。しかしその後も顔を表さず、気づいたときには姿が消えていた。
 どうしたのかと心配していると、日暮れ近くに戻ってきた。腹が減っているのだろうとエサを与えたのだが食べようとしないのだ。まあ、どこかで何か食べたのだろうと、そのときは思った。
 しかしその後も様子が変なのだ。やむなく家の中で様子を見ることにした。
 吐き気をもよおすと外に出たがり、落ち着くと戻ってきた。そんなことが木曜日の朝まで続き、水もエサもほしがらない。その間、隣の獣医さんに2度点滴を打ってもらい、カミさんは添い寝する始末。娘は貯金をはたいて手術を受けさせる覚悟を決めていたようだ。

 その朝外に出すと戻ってこない。
 猫は死に姿を飼い主に見せないことが多いのでいやな予感。でも3時間ほどで帰ってきた。
 もう3日半も水一滴も口にしていない。祈る気持ちで鰹節削りをやると少しずつ食べた。やれやれだ。その後順調に回復し、夜にはすっかり良くなった。

 治ったのは良いのだが、それからがたいへん。家の中に野生児の子猫が居るのだ。少しもじっとしていない。
 トイレは外なので朝4時に起こされ、つきあわされる。戻ってくると一暴れ、寝ちゃいられない。食事もゆっくりできない。
 自称猫アレルギーのカミさんは「胸が変だ」と言い出す。
 今さら何を言う。
 あー、またまた困った。

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