NA.home通信 138号

                 12.dec.1999


 テレビを見ていて娘が「ドーナッツ盤って何?」と聞くので背後の棚から1枚出して見せた。
 それがきっかけで時ならぬドーナッツ盤コンサートが始まった。当然古い。
 アルバムを買うまでもないいわゆる一発ものが多く、
「ギターのように愛されたい」「いにしえ」「京都の恋」「学生街の喫茶店」「ケンとメリー」「冬物語」「御案内」「どうぞこのまま」などなど。
 歌手名が全て解ったらあなたも相当×××だと思う。

 しばらくぶりに回るのでちょっと安定しないターンテーブルに載せて、1枚3分余りと短い間隔で次々と針を落とす。
(そういえば「針を落とす」なんて最近聞かない。)
 昔と変わらない、いや、そのころ安いプレーヤーで聞いていたので昔より良い音でよみがえる。
 そのころ、マツイシ楽器でスタンプがたまるとシングル盤1枚サービスだった。だから私も妻も余り「買った」という自覚がない。
 数回聞いてそのままというSP盤(これも懐かしい表現)が40枚余り。ほとんどが二十歳前後のシロモノで、四半世紀の時間を超えて眠りから覚めたのだ。

 最近、CD全盛期の中でアナログ盤を出すミュージシャンが増えてきた。
 それもこの人間くさい柔らかな音色を聞いていると解る気がする。
 たとえば人類が滅亡して、次の文明が興ったときに、CD盤が発見されてもそれが何かを解明するのに数千年かかるかもしれないが、アナログ盤なら以外に早く解るだろう。
 そんなことも頭をよぎったタイムカプセルの如きSP盤たち。この晩は夜の更けるのも忘れていた。


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