NA.home通信 121号

                 20.dec.1998

 三重県立美術館「ジョルジュ・ブラック展」の招待状をいただいたのをきっかけに、足を延ばして伊勢神宮まで行って来た。妻は前々から「お伊勢さんに行きたい」と言っていたので、永年の懸案が解決したことになる。これは信心からではなく、赤福茶屋が目的と思っていただいてよい。

 美術館を見学したあと津で昼食を済ませ、内宮へ着いたのは2時過ぎ。もうピークを超えたのか、バス専用駐車場に入れてさせてもらえたので、宇治橋の正面まで車で行くことが出来た。

 宇治橋を渡り、広く掃き清められた砂利道は深い森の中に続いていく。この空間が私は好きだ。前来たときは遷宮前だったので、拝殿の位置が奥に変わっていた。100円玉を放り込んでお祈りを済ませて妻を見ると、まだ長々と祈り事をしている。

 「そんなにお願いしていくらお賽銭をあげたのだ」と聞くと
 「10円」   「????」
 それでは祈り事一つあたりの単価が1円に満たない。
 「神様は金額で御利益を与えてくれるというものではない」
 と言い切る。
 でも、ちゃんとお札とお守りは買ってきたので、まあ良いか。

 お参りが済んだらいよいよおはらい町へ。数年前よりまた町並みの整備が進み、残っている方が少ないくらいになった。ぶらぶら見ながら赤福本店「赤福茶屋」に入り、土産と食券を買い、五十鈴川を臨む縁側に上がり、川の流れを見ながらお茶をすする。「やっぱこれだな」

 今日の目的はすべて終了。一足早い初詣になったが、これも良かろう。あとはうちの神棚を掃除をして、おかげ横町で買った年末ジャンボが当たるのを祈るだけだ。


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