レンガの家
成田完二の 勝手にコラム   耐震 011
 ブーフーウー三匹の子豚の話。
 長男のブーはワラの家、フーは木の家、末っ子のウーはレンガを積んで家を作った。ワラの家も木の家もオオカミに吹き飛ばされ、ウーが作ったレンガの家に逃げ込んだという話だった。
 オオカミは何を表しているのだろう。吹き飛ばすのだから台風か竜巻?。いやいや、人為的なものに違いない。
 毎日報道されるウクライナ情勢、無差別的な攻撃、ロシア軍がオオカミに見えた。
 そうか、襲ってくるものが銃弾だとすれば、レンガの家に意味がある。

 日本の建築基準法第1条には「国民の生命、健康及び財産の保護を図り」とある。この法律のどこを読んでも戦争や他からの襲撃などの下りは無い。
 平和憲法下の法律なのだとあらためて思う。
 スイスでは核シェルターが各家庭やあらゆる施設に設置され、国民全員十分にカバーできている。
 永世中立、国民皆兵のお国柄。周囲を大国に囲まれ、度重なる戦争を体験してきたからこその政策であろう。世界が核戦争に陥ってもスイス国民はそれに関与せず、生き延びるつもりなのだ。

 核シェルターには食料の備蓄、放射能除去付きの換気設備などが必要となる。また、地下に埋められ、いろいろな災害にも強い。
 災害大国の日本、核シェルターまでいかずとも、このような対策が必要だろうか。

 今の日本なら賢いウーは、耐震性能が十分で地下シェルター付きの家を作ったかもしれない。

全国商工新聞 Apr.2022
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