天災は忘れた頃に
成田完二の 勝手にコラム   耐震 006
 天災は忘れた頃にやってくる。
 2月13日に起きた地震は10年前の東日本大震災を忘れさせないためのように思える。
 
 地震の強さを示すマグニチュード(M)は足し算の出来ない値で、1上がると31.6倍のエネルギーになり、2上がるとその2乗、1000倍となる。
 M7クラスが1000個ほど同時に起きたのが東日本のM9の大地震なのだ。
 2月の地震はM7.5で単発としては大きい。これが沖合でなく直下なら、熊本地震か阪神淡路クラスである。
 
 直下型地震の多くは断層によるもので、日本には数千という数がある。断層が動くのは千年に一度かもしれないが、数千もあるので毎年どこかの断層が動いて地震が起きている。
 日本は複数のプレートがぶつかり合って出来た列島で、長い地球の歴史からみればごく新しいもので、今も形を変えつつある生き物のようだ。
 昔の人はなまずに例えて、地下の大なまずが動くと地震が起きると考えていたが、プレートが大なまずと見立てればあながち間違いとも言えない。
 
 その大なまずは元気いっぱいなのだ。だから地震からは逃れられない。いつかは起こるでは無く、いつでも起こると思った方が良い。
 台風なら予め避難も出来るが、地震は予告なく突然起こる。となりの部屋の家族どころか、自分さえ危ない。ましてや離れたところに居たら、安否もわからない。
 備えあれば憂い無し。転ばぬ先の杖ならぬ耐震改修が命を守る数少ない方法であることを、今一度肝に命じていただきたい。
全国商工新聞 2021.2
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