落雷
成田完二の 勝手にコラム   その他 016
 一瞬、目の前が真っ白になる閃光が走り、パーンという耳を劈く破裂音。何が起きたかわからない。
 結婚して新居に選んだのは5階建てアパートの最上階、友人と開け放した真夏の部屋で談笑しているときに起きた。
 破裂音は周囲に反響し、ゴロゴロと音が帰ってきたので落雷だったと理解できた。 建物は鉄筋コンクリートで、シールドされて安全だが、光と音は半端ではない。心臓が止まりそうだ。

 雷は静電気だ。車のドアなどでパチッとくるあれと同じ。それの親玉なのだがエネルギーが物凄い。
 空気という絶縁物質を数千メートルの高さから切り裂いてくる。落ちる相手は鉄でも木でも厭わない。相手が見つかれば一気に落ちてくる。 鉄塔なら電気が通りやすいので、さっと地面まで流れるが、樹木は抵抗が大きく爆発するように炎上する。
 建物に置き換えれば、鉄筋コンクリート造や鉄骨造は前者で、木造は後者になる。 昔はお城が落雷で焼失なんてよくあった。現代では避雷設備が付いている。字は避雷だけど避けるではなく、落ちた時に地面に逃がすだけの設備だ。 被害は少なくななるだろうが落ちてみなけりゃわからない。

 木造住宅の場合、野原の真ん中や丘の頂上に建つような場合、対策は必要であるが、紙面の都合で割愛する。
 落雷の被害は冷蔵庫の霜取り回路。冷えなくなってしまった。一年未満のメーカー保証で、盆休み直前の夜八時に修理に来てくれた。
 原因が落雷だったこと隠してゴメン。
全国商工新聞 Aug. 2023
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