虎の威を借る狐
成田完二の 勝手にコラム   その他 012
 虎の威を借る狐、権力を傘に威張っている小物を差すのだろうが、何故か「ずる賢い」イメージがある。付き合いたくない連中だ。
 愛知県内建築系国立3大学と県、名古屋市などで「愛知建築地震災害軽減システム研究協議会(略:減災協)」を立ち上げ、10年以上安価な耐震改修の工法などを研究し、 その普及を図っている。構造用合板など手に入れやすい材料で出来る工法で、木造住宅の耐震改修に大きな役割を果たしている。
 今では愛知県内に限らず、これらの工法を補助金対象とする府県が広がっている。私たちはこの工法を広げる活動として「耐震リフォーム達人塾」を開催している。
 毎年、新しい工法や仕様の違いを実験して、減災協認定工法としている。その試験料は無料。現場からの声も反映してくれる、血の通った活動だ。

 国の機関(仮;建B協)の認定は受けていないので、補助金対象とするにはその都道府県の判断にゆだねられている。
 西日本中心の26府県から、今年度、青森県、茨城県が加わる予定で、全国制覇の峠を越えた感じである。
 しかし建B協は面白くない様子。地震対策を進めるべき協会なのに、何故ブレーキを掛けてくる。聞けば、評価委員の先生方は良い人だけど、事務局が問題らしい。

 2025年から全ての新築建築物の省エネ基準適合化が義務づけられる。
 今は普及させる段階だから講習もテキストも無料だ。しかしこれも施行されたら有料になりそうだ。
 地震対策がそうだったように。また一匹付き合いたくない狐が出てきそうだ。

全国商工新聞 Dec. 2022
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