建材の値段に疑問
成田完二の 勝手にコラム   その他 006
 ドイツから輸入して高断熱のサッシを使っているが、使えない場合がある。それは防火の指定がある地域だ。
 防火戸の認定が無いため使うことが出来ない。やむなく防火戸の認定のあるサッシを採用するが、断熱性能は落ちてしまう。トリプルガラスのサッシがシングルガラスのアルミサッシより防火性能が劣っているようには思えないが、決まりだからやむを得ない。

 外壁に張る木質繊維断熱板の防火性能の認定を取るお手伝いをした。
 最初はカタログに載せるアイソメ図を依頼されたのだが、それから泥沼のように認定作業にはまり込んでいった。面倒なこと甚だしい。
 仕事は図面を作ることだが、仕様書はメーカーが作る。すると「整合していない」と某協会からクレーム。知らんがな。
 度重なる修正を抜けたあと、試験体の図面を描いてくれときた。見たことも無い試験体の図面を、例を見ながら作成する。するとまたクレーム。「留め付け材(くぎ)が記載されていません」。そんなことまで描くの?。

 これを抜けて試験が合格すると番号が1つもらえる。仕様が変わればまた同じような作業の繰り返しである。
 審査する協会は国交省の指定機関。天下りの臭いがする。高い審査料を払い、面倒な手間を掛け、相応の期間が必要だ。当然メーカー側はその費用を製品価格に乗せる。こうして日本の高い製品は出来上がっていくのだ。
 欧米の建材の安さに驚くのは、この協会が無いためだろうと思えてならない。  

全国商工新聞 Feb.2021
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